仙崎大輔だった伊藤英明が好きな人も絶対必見! 『悪の教典~序章~』 

もう既に予告編が映画館で流れている映画版『悪の教典』。
「先生信じて待ってたんだよ」
「なんで…」
という女生徒らの嘆きの声にニヤりとした笑顔で応え、彼女たちに猟銃をぶっぱなす殺人教師・蓮実(ハスミン)。

まだ『BRAVE HEARTS 海猿』大ヒットの余熱がずっと続いていますが、段々日本映画屈指のダークヒーロー・ハスミンとしての新しい伊藤英明の顔が見えて来ました。

そこで、ここでは今回以下の『悪の教典』特集号を作るに当たり、映画本編のみならず関連資料一式の熟読&ガン見して
ロケ現場も探訪してきて、スタッフ以外ではたぶん今日本で一番、映画『悪の教典』にのめり込んでいる自称ハスミン党書記の私が、BeeTVとDVDで観ることが出来る映画『悪の教典』前日譚に当たる『悪の教典~序章~』に関して少し語りたいと思います。

「三池監督が書いた脚本を読むと原作を読むだけではわからなかったことまで見えて来るんです!」
これは9/29発売のFREECELL特別号9での伊藤英明発言ですが、『悪の教典~序章~』においても
三池監督の原作プロファイルは健在。『~序章~』では蓮実の異常性に最初に気付く釣井先生(吹越満)に
大きな光を当てています。

映画版では、日本映画オールスターズという布陣の中でいぶし銀の二番打者的役割を与えられている
釣井先生ですが、『~序章~』では完全にハスミンと並び立つ中心打者扱い。

なぜ釣井先生は、蓮実の悪行に気付くのかという点に関し、それは釣井自身が蓮実と紙一重
サイコパス要素があるからだということを、掘り下げることで伝えています。

とくに原作にはない校内カウンセラー水落聡子(中越典子)への釣井のゆがんだ愛情表現は
最強! 蓮実に恋い焦がれる水落聡子の横にふいに釣井先生が立っている画は往年の笑えるホラー
エルム街の悪夢』をほうふつとさせる、オモシロこわい絶妙演出です。


それ以外では、蓮実が自分の心にとって邪魔だなと思ったものをまるで障害物を片付ける
ように除去していく際の描写。

それが「犬」というキータームを使って綴られているのも『~序章~』の見所。

下記のようにもともと無類の愛犬家として知られている伊藤英明

http://bit.ly/QBz17a


三池監督はその地を活かすために映画で生徒たちのアタマを親愛の情を表す表現として
「犬撫で」するハスミン、というシーンを多用してますが、『~序章~』ではその犬に
ナチュラルに非道なことをするハスミン、という伊藤英明ファンの心をあえてしめつける
強力な演出があります。

ただ、その演出によって、伊藤英明という俳優の底知れぬスケール感がわかるのも事実。
さきほどピックアップした伊藤英明のインタビューでの発言を借りれば、三池監督が
書いた脚本を読むと『海猿』を観るだけではわからなかった伊藤英明の役者としての
「奥行き」がすごく見えてくるのです!

加えて映画の中で目が奪われる「三池ブルー」的な映像美もザッピング的に各所に配置。


こちらロケ地の旧・三崎高校の教室の壁にこの映画のために塗られた不穏な水色=三池ブルー


というように早く『悪の教典』が観たい! という人には絶対かなり濃厚な前菜として
おすすめなのが『悪の教典~序章~』。10/19からは全4話入りのDVDもビデオショップ
に並ぶのでぜひ観てください。

悪の教典 -序章- [DVD]

悪の教典 -序章- [DVD]


またこの『悪の教典~序章~』と本編につながるアイコンについてもFREECELL特別号9
では詳しく解説したのでこちらもぜひご一読ください。