1/15別冊spoon.「パラレルワールドスタンダード」号、「GANTZ」ってじつは「LOST」の元ネタなのでは?という点を検証したい件で

1/15別冊spoon.「パラレルワールドスタンダード」号、発売前に今一度「GANTZ」に関して言及を。


誌面ではスペースがなく言及出来なかったのですが、じつは「GANTZ」って「LOST」の元ネタにもなった、今日のハリウッドの「パラレルワールドもの」の原型になっている世界的にも重要な作品なのでは? と思っているのでその検証を。

まず、「GANTZ」のマンガ連載開始が2000年。「LOST」の放送開始が2004年。原作マンガに関しては、ハリウッド映画化の話が早い時期から持ち上がり、「クローバー・フィールド」で日本の特撮にも造詣が深そうなJ・J・エイブラムスが原作「GANTZ」を読んでいる可能性大(以下その類似点列挙)。

●「GANTZ」では主人公・玄野計が物語の冒頭・電車に轢かれ、GANTZ部屋に転送されてしまう。

●「LOST」では主人公・ジャック・シェパードが815便の墜落により、「島」のジャングルに投げ出される。

●「GANTZ」ではGANTZ球が指示する理不尽なミッションで、「もうひとつの命」を得た主人公たちが右往左往する。

●「LOST」では意志を持った「島」のある“導き”によって、主人公たちが右往左往する。

●GANTZの作りだすパラレルワールドでの星人たちとの戦闘後、主人公たちはリアルワールドに戻る。物語が進行するにつれその「出はいり」の頻度は高まり、やがてふたつの世界は融合する。

●「LOST」の「島」での過酷なサバイバル生活の描写と、主人公たちが「815便の墜落しなかった世界」での日常の描写が交互に出てくる構造になっている。
「島」でのサバイバルと「815便の墜落しなかった世界」の日常との「出はいり」は物語はクライマックスが近づくにつれ激しくなっていく。

●「GANTZ」の場合はGANTZのミッションでの世界の生死は、「生き返り」ありという設定がされている。

●「LOST」の「島」でも主人公たちは「生き返り」ありの世界で、主人公たちはそれに苦しめられている。

●「GANTZ」も「LOST」もこの「生き返り」ありの設定で、異世界ではあえて命の軽さを描くことで、逆に現実世界での命の重さを際立たせることに成功している。


ここまでネタが上がって来ると、これはどう考えてもJ・J・エイブラムスかその周辺のシナリオ担当のスタッフが「GANTZ」の原作を読んでいるとしか思えません。

筆者は未見ですが、「GANTZ」と「LOST」の符合についてJ・J・エイブラムスが語っているインタビューはどこかのメディアに出てたりするのでしょうか?

それを追求するのは本稿の目的ではありません。言いたいのは、こういうことです。

かつて「攻殻機動隊」が「マトリックス」に元ネタになった際、日本の「マトリックス」は登場しなかった。しかしコミック版の「GANTZ」は「LOST」に転生しただけでなく、ちゃんと日本オリジナルの映画「GANTZ」として結実した。

しかも、それはこの別冊spoon.「パラレルワールドスタンダード」号で二宮和也さん、松山ケンイチさん、佐藤信介監督が語っているように本当に“映画・日本代表”と呼べる傑作クオリティーであると。

映画「GANTZ」の音楽は川井憲次さんですが、ぼくはエンディングに流れる川井さんの曲を聴いて「日本映画もアニメじゃなく、ここまで来たんだなあ」と、とても感慨深かったです。

また、この号ではぼくが考えるパラレルワールドネタの現在地を象徴する作品として、増田セバスチャンの「家系図カッタ―」と夕鶸遡の「ドリルのくだもの」をメインコンテンツ扱いで掲載してますので、こちらもぜひご覧ください!

家系図カッタ―」はこちらのサイトでも誌面掲載と同じものが読めます。

http://www.spoon01.com/editors/etc.html

家系図カッター

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