『アリス・イン・ワンダーランド』は『千とアリスの神隠し』だった! ピクサー頭脳を内包したディズニーのダイナミックな本歌取りテクについて
マスコミ試写も大人気ですぐ席が埋まってしまう『アリス・イン・ワンダーランド』、本日ようやく試写観れましたが、
いやー、ぼくは3D映像よりもその物語構造に唸りました。
だって、これ、実写版『千と千尋の神隠し』ですよ、完全に!
ティム・バートンが本作を作るに当たって宮崎アニメを本歌取りしたかどうかのインタビュー記事はまだ未見ですが、
90年代の終わりのウォシャウスキー兄弟が『攻殻機動隊』をサンプリングして『マトリックス』を創ったように、
10年代の初めにディズニー(includeティム・バートン)は宮崎アニメの少女の通過儀礼の物語を見事な
メスさばきで、あろうことか『アリス』に移植してるんです!
いや、これは批判じゃないですよ。絶賛です!
『アリス・イン・ワンダーランド』の前半部、ミア・ワシコウスカ演じるアリスが女性としてのたしなみが足らないことをお母様にたしなめられるシーンでのミアの生気のないメイクとふてくされたセリフ回し、そしてアンダーランドに落ちてからも白の女王軍のトウィードルディーやマリアムキンたちに「このアリスじゃないよ!」とアリスという名前を認められない点とアリス自身もかつてこの国で自分がアリスだったことをすっかり忘れていること。
そして、戦いを終えてうさぎ穴から地上に戻ったときアリスにみなぎっている生気。
これはどこをどう見ても『『千とアリスの神隠し』です。
でも、その本歌取りが『七人の侍』が『スターウォーズ』に転生したような圧倒的なダイナミズムがあるから
すごい清々しいんですよね。
さらにさらにディズニーとティム・バートン、サービス精神ありすぎでスゲー!と思ったのが、アリスがアンダーランド
で出会うアブソレムという芋虫が『風の谷のナウシカ』の王蟲モチーフで、アブソレムが後半ものすごく重要な役割を担っていること。
おそらくこれを観て日本のアニメ関係者およびアニメファンの人は相当な衝撃を受けることでしょう。
いや、ピクサー頭脳を内包したディズニーはWBCを仕切るMLB並みに奥が深いです。
というわけで『アリス・イン・ワンダーランド』、ぼくはDVDで『千と千尋の神隠し』見直してから、もう一度
imaxに観に行こうと思ってます。
ちなみにぼくが発行人を務める別冊spoon.初夏の森ガールの表紙巻頭の撮影コンセプトも『アリス・イン・ワンダーランド』の物語構造と似ててすごい嬉しかったのですが、それはまた別の日に書きますね。
別冊spoon. 初夏の森ガール 62483-43 (カドカワムック 345)
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※そう言えばこんなアリス写真集も昨年作りました
↓
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